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NEWS

12/6/13
書籍「社労士が見つけた!(本当は怖い)採用・労働契約の失敗事例55」6/13発売しました。
12/3/28
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東京の季節

著者
高木健夫
発行
昭和30年(1955年)
著者
プロフィール
1905年福井県生まれ。「国民新聞」「読売新聞」「大阪毎日新聞」などの記者を経て、昭和14年北京で「東亜新報」を創刊して主筆となる。  戦後「読売新聞」に論説委員として復帰、昭和24年から17年間コラム「編集手帳」を担当。

夏至

 夏至
 どうもわたくしたちは、漢字のどれいになっていた伝統があるのでその字面をみただけで「夏いたる」とよみ、なんだが一年ぢゅうでいちばん暑い日になったような気持になる。しかしこのごろは一番暑い、というよりもじめじめと雨が降ったり止んだり、ちっともからッとしたところがない 一番あつい日どころか、一番うっとうしい日である。歳時記をみても「夏至の雨、落口とめに田を回る」だこか「心澄めば怒濤ぞきこゆ夏至の雨」だとか、雨がつきものになっている。例年の平均気温をみても一年ぢゅうで最も暑いのはまだ一カ月も先のことである。気候としては夏の最盛期をいうらしいのだがどうもぴったり来ない。無理もない、日本ではこれから一カ月おくれたころに最高気温があらわれるのだ。
 朝寝、夜ふかしの連中には苦が手の季節がやってきた。なにしろ、「夏至には夜の明けるのが四時二十五分で日の暮れるのが十九時、つまり、昼が一番長くて夜が短い。「夏いたる」とよめばなるほどごもっともなはなしだが、ほんとうは「純陽極まって夏日の長き至り」という意味であるよし、これまたごもっともだ。
 天球上では太陽が最も北に偏するから、北半球では太陽の照っている時間も一番長く、したがって地表面が受ける熱量が最も多い日、ということになるのだが、それだからといって、一番暑い日というわけには参らぬこと、わたくしたちが経験しているとおりだ。それどころか梅雨で雨が降ってうすら寒いことが多い。夏至の太陽ではなく夏至の雨といった方がよい。その雨に打たれながらアジサイの花が色を変えてゆく。どこかの国の、どの時代かのインテリのイデオロギーを思わせる。
 花といえば、今年の春、「植物友の会」が主唱してNHK、全日本観光連盟、日本交通公社が主催して行った「郷土の花」選定の投票は、なかなか美しくもたのしい試みだった。この選定に東京は当然「ムラサキ草」と思ったがアテがはずれて平凡なソメイヨシノになってしまった。大阪のアシは適当だ。
 このごろ咲いたり散ったりする「郷土の花」を眺めると神奈川のヤマユリ、岐阜のレング草、石川のクロユリ、愛知のカキツバタ、鹿見島ミヤマキリシマ、群馬のレングツツジ、というところであろうか。いま咲いているのは山形の「郷土の花」ベニバナだろう。アザミに似た花で、この花からベニ(紅)をつくり、種子から油をとる。
 紅(くれなゐ)の花にしあらば衣手に染めつけ持ちて行くべくおもほゆ
と万葉人がうたった紅の花―しかし、ヘップバーン型の髪をもつ女性には、もはや縁なき花とたってしまった。