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NEWS
- 12/6/13
- 書籍「社労士が見つけた!(本当は怖い)採用・労働契約の失敗事例55」6/13発売しました。
- 12/3/28
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- 11/12/21
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東京の季節
- 著者
- 高木健夫
- 発行
- 昭和30年(1955年)
- 著者
プロフィール - 1905年福井県生まれ。「国民新聞」「読売新聞」「大阪毎日新聞」などの記者を経て、昭和14年北京で「東亜新報」を創刊して主筆となる。 戦後「読売新聞」に論説委員として復帰、昭和24年から17年間コラム「編集手帳」を担当。
春
夏場所
夏場所
東京蔵前の国技館で大相撲夏場所がはじまる。相撲の触太鼓の音こそは、夏が本式にやって来たぞという季節感を響かせるリズムである。さて、この相撲にすこし注文をつけたい。勤め人の立場からいうと、半分ぐらいはナイト・ゲーム(夜間興行)にしてもらった方が便利だ。近代的照明の下に力士たちの相打つ肉体をみることは、美しいショウであるにちがいないと思う。
もうひとつ懐中豊かならざる好角家を優遇することを考えてほしい。茶屋がマスの良いところを買占めて、もうマスの前売は売切れだということをきくと、この国民的スポーツが、金のある連中だけに独占されているような気持になる。これからの相撲がこのような在り方ではいけない。夜明け頃から押しかけて待つ人々のために良い場所を優先的に与えよ。照国はユルフン戦術で勝ったといわれるが、あのユルフンは決してフェア・プレーとぱいわれない。今場所からかれもヘソの下にしっかりとフンドシをしめ直して稽古にかかっているというが、そうあるべきはずである。
これに関連してやめてもらいたいものに仕切りに手を下ろさないで立つ、いわゆる「ペテン立ち」がある。早く立つから有利なようだが、じつは基本的にいってもこれは不利なのだという。これが一場所に必ず二、三番はあって行司がとめている。こういうみっともないことは相撲の精神にはないはずだ。力だけある乱暴者のタイマノケハヤを、命をかけてとりひしいだノミノスクネの精神は、力だけがすべてを決定するという原始的な考え方を近代的な秩序の観念をもって訂正したものである。相撲も力士と観客に正しいエチケットが守られてこそ、国民的スポーツとしての発展があることを忘れたくはない。