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NEWS

12/6/13
書籍「社労士が見つけた!(本当は怖い)採用・労働契約の失敗事例55」6/13発売しました。
12/3/28
書籍「社労士が見つけた(本当は怖い)解雇・退職・休職実務の失敗事例55」3/28発売しました。
11/12/21
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)事業承継の失敗事例33」12/21発売しました。
11/11/2
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)飲食業経理の失敗事例55」11/2発売しました。
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東京の季節

著者
高木健夫
発行
昭和30年(1955年)
著者
プロフィール
1905年福井県生まれ。「国民新聞」「読売新聞」「大阪毎日新聞」などの記者を経て、昭和14年北京で「東亜新報」を創刊して主筆となる。  戦後「読売新聞」に論説委員として復帰、昭和24年から17年間コラム「編集手帳」を担当。

卒業

 卒業  東京大学は、きのう卒業式をやって三千名ちかくの新学士を社会におくりだした。わたくしたちの社会は民主主義と平和主義の新しい戦士を戦列に加えたわけだ。矢内原総長が、この日、卒業生を送り出したことばは、さすがに汚水のような社会への若人の巣立ちを心配し「汚職また汚職、目をおおいたくなるような腐敗。このような社会に向かって、諸君はいかなる心構えをもって出て行こうとするのか」と嘆いた。「諸君が学んだことが、ただ諸君のこの世における立身出世の手段であり、大勢順応の日和見主義に終るというのであれば、また何をかいわんや。」
 「そのような無理想の卒業生を世に出すために東京大学は骨を折ったのではなく、また国民はかかる学生に大学教育を授けるために国費を支出したのでもあるまい」ともいった。この言葉、耳に痛い卒業生や父兄はいないか?
 これは、これから大学に進学する子供を持っている父兄たちが心にとめておいてもよい言葉だと思う。おのが子の、人間的な成長と完成を願わずに、世俗的な立身出世をだけ求めて、東京大学のせまき門にへし合い押合いさせるためにわが子をかりたてる親はいないか?
 なかには、家庭のアクセサリーと心得て息子や娘たちを有名大学に入れようと必死の猛運動を試みる虚栄の母さえいる。矢内原さんは「家庭が貧しくとも、大学教育を受けるに足りる学力のある子弟に大学教育の機会を与えることは、国を興じ、社会の幸福を増進するための国民的義務」だという。この国民的義務はいまだに果されてはいない。のみならず、たくさんの金を使って有名大学に運動し、また有名な私立大学に入れば、学資だけにまた数万円を必要とする現状では貧乏な家庭の子弟はとても大学教育などは受けられない。フランスの大学教授の三分の一の収入しかない日本の大学教授などはその子弟に大学教育を受けさせる経済的資格はない。
 東大のアルバイト学生は五九%。この五九万は「汚水のような社会」に片足を突っ込んで教育を受けつつあるのだ。社会はこの現実をよく見て考える必要があろう。